sputniksweetheart1128's diary

メランコリックな日記かもです。だって心を持ってるんだもん。

うそつき

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五十鈴ちゃんの身体は自慢話で出来ている。嘘もつく。それは五十鈴ちゃんの心が空っぽで寂しいからだろう。何かで満たさないと心の底が見えてしまうのが怖いのかもしれない。

五十鈴ちゃんは自分が特別な人間だと思われるよう、いろんなものを散りばめる。東京マラソンに毎年出場している叔父さん、リスが遊びにくるほど広い庭のある家に住んでいること、病弱だった子供の頃から診てもらっている主治医の出世etcetc。すべての価値あるものは五十鈴ちゃんを讃えるために存在する。

最初は話を聞いていた周りの人々もそのうち辟易して陰口を言い出し、五十鈴ちゃんは孤立してしまう。子供の頃からそんなことを繰り返してきたに違いない。

五十鈴ちゃんは本当はそんなものに価値を見出してはいない。五十鈴ちゃんが欲しいものは受け入れてくれる相手であり、一緒に感動してくれる心なんだと思う。多かれ少なかれみんな同じ。みんな、寂しい。

心は不思議だ。見ないふりをしていても居場所を知らせてくる。自分の欠落や願望が何処にあるのか教えようとしている。たとえそれが目を背けたくなるほど無惨な欲望だったとしても、真摯に対峙して救い出してあげねばならない。そうしないと人はみな五十鈴ちゃんになってしまって、間違った対象にひれ伏すようになってしまう。そんな目隠しされたままの生き方は、私は嫌だ。

徹したい。己は何も持たず生まれてきて何も持てずに消滅してゆく、他から借りてきた権威で己が少しでも権威があるように錯覚したりせず、偽りではない、形や権力や富などではない本物の価値あるもののみに心を捧げて生きていけますように。